退院前訪問指導料(B007)、回復期リハ病棟で算定する条件と2回分になる例外
公開 2026-10-20|作業療法士・トロル
この記事でわかること
- 入院が1か月を超える見込みの方が対象。算定は訪問した日ではなく退院日に、入院中1回です
- 入院後14日以内の早期訪問と、退院前の最終調整の訪問がそろった場合だけ2回分になります
- 医師や看護師等が配置された施設へ入所予定の方は対象外。早期訪問を算定すると入院時訪問指導加算は取れません
退院前訪問指導料は、回復期リハ病棟で名前がよく出る項目です。 ところが「いつ算定するのか」「2回取れるのはどんなときか」で迷いやすい点数でもあります。
算定の軸は3つだけです。誰が対象か、いつ算定するか、2回分になる条件は何か。 この3つを、告示と留意事項通知の文言に沿って整理しました。
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算定するのは退院日です。訪問した日ではありません
対象は、入院期間が1月を超えると見込まれる患者です。 患家を訪問し、患者又は家族等に、退院後の在宅での療養上の指導を行った場合に算定します。
点数は入院中1回に限り580点です。 ここで見落としやすいのが算定日で、指導を実施した日にかかわらず、退院日に算定します。 訪問した月のレセプトには載らない、ということになります。
もう1つ、対象の線引きがあります。 退院して家庭に復帰する患者が算定の対象で、特別養護老人ホーム等、 医師又は看護師等が配置されている施設に入所予定の患者は対象としない、とされています。
行き先が施設なら、訪問しても算定の対象になりません
2回分になるのは、早期訪問と最終調整がそろったときだけです
原則は入院中1回です。例外は2つの条件を両方満たした場合だけです。 入院後早期(入院後14日以内)に、退院に向けた訪問指導の必要性を認めて訪問指導を行うこと。 そのうえで、在宅療養に向けた最終調整を目的として再度訪問指導を行うこと。 この2つを満たす場合に限り、退院日に2回分を算定します。
条件は「早期の訪問」と「最終調整の訪問」の両方です。 早めに1回だけ見に行った、退院前に1回だけ行った、のどちらも1回分のままです。 算定日はこの場合も退院日で、2回分をまとめて退院日に算定します。
ここで関係してくるのが、リハビリテーション総合計画評価料に付く入院時訪問指導加算です。 入院後早期の訪問指導を行った場合(2回算定する場合)は、入院時訪問指導加算(入院前に訪問した場合を含む)を算定できないと通知にあります。
| 退院前訪問指導料(B007) | 入院時訪問指導加算(H003-2 注3) | |
|---|---|---|
| 目的 | 退院後の在宅での療養上の指導 | 退院後の住環境等を評価したうえで計画を作る |
| 訪問の時期 | 入院中。早期訪問は入院後14日以内 | 病棟への入院日前7日以内、又は入院後7日以内 |
| 点数 | 入院中1回580点(条件を満たせば2回分) | 入院中1回150点 |
| 算定日 | 退院日 | 計画を作成した月の総合計画評価料に加算 |
| 関係 | 早期訪問を算定すると、右の加算は算定できない | 退院前の訪問1回だけなら、一律に不可ではない |
早期に訪問して環境を見てから計画を立てる、という動きは自然です。 その1回の訪問を「退院前訪問指導料の早期訪問」として数えるのか、 「入院時訪問指導加算」として数えるのかは、病棟で先に決めておくと迷いません。
- 退院前の訪問を1回算定するだけ:入院時訪問指導加算まで一律に算定できなくなるわけではありません
- 早期訪問を退院前訪問指導料で算定:入院時訪問指導加算は算定できません。入院前に訪問した場合も同じ扱いです
回復期リハ病棟では、包括の外で別に算定できます
回復期リハビリテーション病棟入院料は、多くの費用が入院料に含まれる包括の仕組みです。 その中で退院前訪問指導料は、A308の注3により、包括除外項目として別に算定できます。
この点数は、病棟の上乗せである回復期リハビリテーション強化体制加算の施設基準にもつながっている点が見逃せません。 施設基準通知では、直近6か月間に自宅へ退院した患者のうち、1割以上に退院前訪問指導を実施していることとされます。
実績の数え方には癖があり、1人に2回訪問しても分子は1人です。 そのあたりは回復期で、トイレと家庭訪問が重く扱われる理由で扱いました。 入院料と別に算定できる項目の全体は回復期リハ病棟で入院料と別に取れるものにまとめてあります。
告示と通知のページ番号は退院前訪問指導料のページに置いてあります。
おわりに
退院前訪問指導料は、訪問そのものより「いつ・誰に・何回」の整理で迷う点数だと思います。 算定日は退院日、対象は家に帰る方、2回分は早期訪問と最終調整の両方がそろったとき。 この3行で、たいていの場面は判断できるはずです。
実際の請求では、原本と地方厚生局への確認を優先してください。 個別のケースで算定できるかどうかは、この記事では判断できません。
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この記事は、厚生労働省の告示・通知・疑義解釈をもとに、リハビリ専門職の自己点検用に整理したものです。個別ケースの算定可否を判断するものではありません。実際の請求にあたっては原本を確認し、判断に迷う場合は保険者・地方厚生局への確認を優先してください。また、掲載内容は医療行為の代替となるものではありません。