回復期で、トイレと家庭訪問が重く扱われる理由
公開 2026-08-21|作業療法士・トロル
この記事でわかること
- トイレの自立と退院前訪問は、病棟全体の上乗せ(1日80点)の条件に入っています
- 条件は3つ。実績指数48以上・退院前訪問の実績・排尿自立支援の届出です
- 退院前訪問の実績は回数ではなく人数で数えます。2回訪問しても分子は1人です
- 届出は病棟単位。担当患者だけでなく、病棟としてどれだけできているかで見られます
回復期の病棟にいると、2つのことが妙に重く扱われていると感じます。 トイレの自立と、退院前の家庭訪問です。
どちらも大事なのは分かります。 ただ、なぜこの2つだけ会議で毎回名前が出るのかは、あまり説明されません。
★答えは、この2つが病棟全体の上乗せの条件になっているからです。
上乗せの条件が、3つ並んでいます
回復期リハビリテーション強化体制加算という上乗せがあります。 入院料1を算定する病棟が対象で、1日につき80点です。
その条件を読むと、3つ並んでいます。
- 実績指数が48以上:入院料1自体の基準は42以上なので、それより高い水準が求められます
- 退院前訪問指導について、十分な実績があること
- 排尿自立支援加算に係る届出を行っている医療機関であること
★つまり、トイレも家庭訪問も個々の患者さんの話であると同時に、病棟の点数の話でもあるわけです。 会議で毎回名前が出るのは、そういう理由だと思います。
届出は病棟単位です
数え方に、現場が知っておくといい癖があります
退院前訪問指導の実績は割合で見ます。 その数え方に、少し変わったところがあります。
1人の患者さんに入院後早期と退院前の2回訪問しても、 ★分子になる患者数は1人のままです。 回数ではなく人数で数えます。
「自宅」の範囲にも決まりがあります。 サービス付き高齢者向け住宅は含みますが、含めない施設もあり、 そこへ退院する方は分子にも分母にも入りません。
同じ病院の他病棟からの転棟も数えられます
訪問そのものにも点数が付きます
退院前訪問指導料は入院中1回で580点です。 入院期間が1月を超えると見込まれる方が対象になります。
★入院後早期に必要があると認められる場合は、2回算定できます。 早めに一度見ておく、という動き方が想定されています。
排尿自立支援のほうは週1回200点で、12週が限度です。 包括的な排尿ケアを行った場合に算定します。
排尿自立支援加算が回復期で持つ2つの働きはこちらの記事で扱っています。
おわりに
トイレと家庭訪問が重く扱われるのには、理由がありました。 この2つが、病棟の上乗せの条件に組み込まれているからです。
そう分かると、記録の頼まれ方も違って見えてきます。 ★自分の1件が、病棟全体の割合の一部になっているからです。
実際の請求では、原本と地方厚生局への確認を優先してください。 個別のケースで算定できるかどうかは、この記事では判断できません。
関連する報酬チェック
単位数・算定要件・根拠資料はこちらで確認できます
この記事は、厚生労働省の告示・通知・疑義解釈をもとに、リハビリ専門職の自己点検用に整理したものです。個別ケースの算定可否を判断するものではありません。実際の請求にあたっては原本を確認し、判断に迷う場合は保険者・地方厚生局への確認を優先してください。また、掲載内容は医療行為の代替となるものではありません。