2027年度(令和9年度)介護報酬改定は、いつ・どの順で決まるのか
公開 2026-10-21|作業療法士・トロル
この記事でわかること
- 決まる順番は、分科会の議論、12月の取りまとめ、1月頃の諮問・答申、告示、Q&Aの5段です
- 前回は審議報告が2023年12月19日、答申が2024年1月22日、通知とQ&A Vol.1が2024年3月15日でした
- 分科会の「〜してはどうか」は案。単位数が出るのは答申、正式に決まるのは告示です
2027年度(令和9年度)の介護報酬改定に向けて、介護給付費分科会での議論が続いています。 ニュースで「〜の見直しへ」と見かけても、決まったことなのか、議論の途中なのかは見分けにくいものです。
介護報酬は、決まる順番がほぼ毎回同じです。 その順番と、段階ごとに出てくる資料、前回の実際の日付を並べました。
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決まる順番は5段です
1段目は、社会保障審議会の介護給付費分科会での議論です。 厚生労働省の事務局が論点と対応案を示し、委員が意見を述べます。
2段目の取りまとめ(審議報告)で、見直しの方向性が文章になります。 単位数が初めて出るのは、3段目の諮問・答申です。
そのあと告示と留意事項通知で、単位数・要件・解釈が正式に決まります。 施行のあとも、Q&A(疑義解釈)が何回にも分けて出ます。
| 段階 | 何が決まるか | 前回(令和6年度改定) |
|---|---|---|
| 1 分科会の議論 | 論点と対応案(どれも案) | 2023年12月18日の第236回まで |
| 2 取りまとめ | 見直しの方向性(審議報告) | 2023年12月19日 |
| 3 諮問・答申 | 単位数と基準の案 | 運営基準等の諮問が2024年1月15日、改定案の諮問・答申が1月22日 |
| 4 告示・通知 | 単位数・要件・解釈 | 2024年3月15日の通知が、告示の公布と留意事項通知の改正を案内 |
| 5 Q&A | 解釈の補足 | Vol.1が2024年3月15日。Vol.18が2026年7月14日 |
| 施行 | — | 2024年4月1日。訪問看護・訪問リハ・居宅療養管理指導・通所リハは6月1日 |
前回は、診療報酬改定が6月1日施行だったことなどを踏まえ、訪問看護・訪問リハ・居宅療養管理指導・通所リハの4つだけが6月施行になりました。 Q&Aは、改定から2年以上たった今も追加されています。
2027年度改定の日程は、1月の答申まで示されています
2026年4月27日の第256回分科会で、検討の進め方とスケジュール案が示されました。
- 4月〜夏頃:主な論点について議論、事業者団体等からのヒアリング
- 10〜12月頃:具体的な方向性について議論
- 12月中:報酬・基準に関する基本的な考え方の整理・取りまとめ
- 令和9年1月頃:介護報酬改定案の諮問・答申
告示と施行の日付は、この時点ではまだ示されていません。 3月に告示、4月に施行という流れは、前回の例からの見通しです。
2026年10月21日時点の進み具合
分科会の資料は「ご意見→論点→対応案」の順に読みます
各サービスの資料は、ほぼ同じ形で作られています。 1つ目が「これまでの分科会における主なご意見」、2つ目が「論点及び対応案」、3つ目が参考資料です。
読むのは「対応案」の欄です。 事務局が「〜してはどうか」という形で、見直しの中身を示しています。
対応案の欄が「どのように考えるか」で終わっているときは、まだ具体的な案が出ていない段階です。 2026年10月の訪問看護の資料では、訪問看護ステーションの理学療法士等による訪問の評価が、この形で示されていました。
「案」と「決定」を分けて読みます
リハ職が見ておく資料
- 介護給付費分科会の開催一覧:各回の資料はここから開けます。新しい回が上に足されていきます
- 自分の分野の回:1巡目は、通所リハが2026年6月15日、訪問リハが6月29日、老健が7月9日でした
- 基本的な視点(案):第268回の資料1。5つの視点のうち3つ目に、生活期における自立支援に向けたリハビリテーションの推進が入っています
改定が終わったあとのQ&Aの追い方は改定の最新情報は、どこを見れば足りるのかにまとめました。毎月の確認の結果は改定ウォッチに載せています。
このサイトでは、議論中の案があるコラムに「2027年度改定で議論中の案」という囲みを付けています。 たとえば退院時共同指導加算と訪問リハの診療未実施減算です。
参考資料
- 1社会保障審議会(介護給付費分科会)開催一覧:第256回〜第271回の日付と議題。
- 2第256回 資料4「令和9年度介護報酬改定に向けた今後の検討の進め方について(案)」:PDF p.2 スケジュール案。
- 3第268回 資料1「令和9年度介護報酬改定に向けた基本的な視点(案)」:5つの視点。
- 4第271回 資料3「訪問看護」:PDF p.57 理学療法士等による訪問看護の評価(論点の提示)。資料の構成の例。
- 5第239回 資料1「令和6年度介護報酬改定の主な事項について」:PDF p.52 施行時期。
- 6介護保険最新情報 Vol.1213(令和6年3月15日):告示第86号の公布と、留意事項通知の改正の案内。
- 7令和6年度介護報酬改定について(厚生労働省):告示・通知・Q&A Vol.1〜Vol.18。
参照確認日:2026年10月21日。
おわりに
改定の議論は長く、資料も多いので、全部を追うと疲れてしまいます。 見るのは、自分の分野の回の「対応案」の欄と、12月の取りまとめ、1月の答申の3つで足ります。
「〜してはどうか」を見たら、まだ案。単位数が出たら答申、正式なものは告示。 この順番だけ覚えておけば、ニュースの見出しに振り回されずに済むはずです。
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この記事は、報酬に関する資料の種類や探し方を、実際に毎月点検している立場から整理したものです。制度の解釈を示すものではなく、個別ケースの算定可否を判断するものでもありません。資料の構成や公開場所は変更されることがあります。実際の請求にあたっては原本を確認し、判断に迷う場合は保険者・地方厚生局への確認を優先してください。