老健の認知症ケア加算76単位は、場所と人の配置で決まります
公開 2026-10-16|作業療法士・トロル
この記事でわかること
- 老健の認知症ケア加算は1日につき76単位で、日ごとに付く加算としては大きいほうです
- 対象は、日常生活に支障を来すおそれのある症状や行動から介護を必要とする認知症の入所者です
- 認知症の入所者と他の入所者を区別し、原則として同一の建物又は階に他の入所者を入所させません
- 定員40人を標準、個室は定員の1割以上、家族向けの30平方メートル以上の施設、単位ごとに固定した職員の配置も条件です
老健の認知症ケア加算は、1日につき76単位です。 日ごとに付く加算としては、かなり大きい部類でしょう。
名前から想像すると、ケアの中身が要件に書いてありそうです。 ★ところが読んでみると、書いてあったのは場所と、人の付き方でした。
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76単位を決めているのは「区分け」です
まず対象です。日常生活に支障を来すおそれのある症状又は行動が認められることから、 介護を必要とする認知症の入所者。★診断名だけで決まる書き方ではありませんでした。
通知には、もう少し具体的に書かれています。 日常生活自立度(認知症による暮らしにくさを段階で示したもの)がランクⅢ、Ⅳ又はMの方。 そのうえで、認知症専門棟において認知症に対応した処遇を受けることが適当であると医師が認めた方です。
そのうえで、対象の入所者と他の入所者を区別していること。 さらに、専ら対象となる認知症の入所者を入所させるための施設であることが求められます。
★原則として、同一の建物又は階において他の入所者を入所させるものでないこと。 ここまで来ると、もう建物の設計の話です。
病棟や階を分けている施設だけが対象になります
建物の側にも、数字で書かれた条件があります
要件には、面積と人数がそれぞれ数字で入っています。
- 認知症専門棟の入所定員は、40人を標準とすること
- 入所定員の1割以上の数の個室を設けていること
- 療養室以外の生活の場として、入所定員1人当たりの面積が2平方メートル以上のデイルームを設けていること
- 家族に対する介護方法に関する知識及び技術の提供のために必要な、30平方メートル以上の面積を有する施設を設けていること
- 介護保健施設サービスの単位ごとの入所者の数について、10人を標準とすること
★4つ目に目が止まりました。30㎡が、家族のための場所として書かれています。 介護方法の知識及び技術を提供するために必要な、という言い方でした。
僕たちが家族に介助の仕方を見てもらう場面を思い浮かべると、腑に落ちる数字です。 ★家族が来て、動いて、練習できる広さという意味だと読めます。
単位ごとの人数は「標準」です
人の付き方にも、決まりがあります
告示には、建物のほかにもう1つ条件があります。 サービスの単位ごとに、固定した介護職員又は看護職員を配置することです。
通知は、その理由を「馴染みの関係」という言葉で説明しています。 一人ひとりの個性や生活歴をつかんで関わるには、同じ顔ぶれが要るという考え方です。
- 日中は、利用者10人に対し常時1人以上の介護職員又は看護職員を配置する
- 夜間及び深夜は、20人に1人以上の看護職員又は介護職員を夜勤の職員として配置する
この2つは、通知が「標準」として示している配置です。 ★分けた場所に、いつもの職員が付く。そこまでが要件に入っていました。
ユニット型では算定しません
おわりに
1日76単位という数字の裏側にあったのは、フロアの分け方と30㎡の部屋でした。 そこに、いつもの職員が付く体制が加わります。
具体的なケアの方法は、要件の文には出てきません。 ★だからといって中身が問われていないわけではないでしょう。
分けた場所と、馴染みの職員。 それが、そこでできることの前提になっているのだと思います。
認知症の加算がどう分かれているかは認知症の加算4つの記事にまとめました。老健のほかの加算とあわせて読むと、位置づけが見えてくるでしょう。
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この記事は、厚生労働省の告示・通知・疑義解釈をもとに、リハビリ専門職の自己点検用に整理したものです。個別ケースの算定可否を判断するものではありません。実際の請求にあたっては原本を確認し、判断に迷う場合は保険者・地方厚生局への確認を優先してください。また、掲載内容は医療行為の代替となるものではありません。