回復期で、FIMを何度も測る理由
公開 2026-08-22|作業療法士・トロル
この記事でわかること
- 実績指数は「FIM運動項目の伸び」を「かかった日数」で割った数字です
- 歩行・車椅子とトイレ動作だけ、5点以下から6点以上になると1点加わります
- 入棟日の状態で除外できる方がいますが、その月の入棟患者数の20%までです
- 2回連続で30を下回ると、1日6単位を超えるリハビリが包括の判定に該当します
回復期に来ると、FIMを測る回数の多さに驚きます。 入棟のとき、退棟のとき、その間も定期的に点を付けます。
記録のためだと思われがちですが、それだけではありません。 ★この点数の伸びが、そのまま病棟の成績になります。
伸びを、かかった日数で割っています
分子は、退棟時のFIM運動項目から入棟時のFIM運動項目を引いた点です。 つまり入院中にどれだけ良くなったか、そのものです。
分母は、入棟から退棟までの日数を、その患者さんの算定日数上限で割った数になります。 ★同じだけ良くなっても、日数がかかると数字は下がります。
算出は各年度の4月・7月・10月・1月です。 前月までの6か月間に退棟した患者さんが対象になります。
いま担当している方の結果は、あとから効いてきます
歩行とトイレだけ、おまけが付きます
計算には補正があります。 FIM運動項目のうち、「歩行・車椅子」と「トイレ動作」の2項目だけが対象です。
入棟時5点以下で、退棟時6点以上になった場合。 そのときは、その項目について引いた後の値に1点を加えます。
★2項目の両方がそろう必要はありません。 どちらか片方だけ該当しても、その項目について1点が加わります。
現場で「まずトイレ」と言われる理由のひとつです
数える人と、数えない人がいます
全員が計算に入るわけではありません。 入棟日の状態によっては、除外できる方がいます。
- FIM運動項目20点以下、または76点以上の方
- FIM認知項目14点以下の方
- 急性心筋梗塞等、告示で定める状態に該当する方
ただし枠があります。 除外できるのは、その月に入棟した患者数の20%を超えない範囲までです。
★除外したあとに戻ってくる場合もあります。 FIM運動項目20点以下で除外した方でも、退院までのリハビリが1日平均6単位を超えたら、計算に含めます。
在棟中に一度も回復期リハ病棟入院料等を算定しなかった方と、在棟中に亡くなった方は対象外です。 高次脳機能障害の方の割合が一定以上の病院では、その月の高次脳機能障害の方を全員除外できます。
30を2回続けて下回ると、リハビリの扱いが変わります
ここが現場にいちばん効くところだと思います。 実績指数が低いままだと、リハビリの提供そのものに影響します。
次の3つがそろうと、1日6単位を超える疾患別リハビリテーション料が包括の判定に該当します。
- 前月までの6か月間の退棟・退室患者数が10名以上
- 直近6か月間の1日当たりリハビリ提供単位数の平均が6単位以上
- 実績指数が2回連続で30を下回った
★たくさん提供していても、伸びが出ていないと6単位を超えたぶんが評価されなくなる形です。 量だけでは足りない、という設計になっています。
なお在棟中にFIM運動項目が1週間で10点以上下がった方は、 計算上その低下の直前で退棟したものとみなせます。
おわりに
FIMを何度も測るのは、記録を残すためだけではありませんでした。 伸びと日数から、病棟の成績が計算されています。
そう分かると、点を付ける手も少し変わってくるはずです。 ★特に歩行とトイレは、1点の意味が他の項目と違います。
実際の請求では、原本と地方厚生局への確認を優先してください。 個別のケースで算定できるかどうかは、この記事では判断できません。
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この記事は、厚生労働省の告示・通知・疑義解釈をもとに、リハビリ専門職の自己点検用に整理したものです。個別ケースの算定可否を判断するものではありません。実際の請求にあたっては原本を確認し、判断に迷う場合は保険者・地方厚生局への確認を優先してください。また、掲載内容は医療行為の代替となるものではありません。