杖と歩行器、足と道具を出す順番が決まっています
公開 2026-08-24|作業療法士・トロル
この記事でわかること
- 支える量の多い順に、平行棒・歩行器・杖・ポールと並びます
- 杖は健側の手で持ち、患側の足と同時に前へ。歩行器は器・患側・健側の順です
- 杖の高さは大転子の位置、肘が約30度屈曲する長さが目安です
- 平行棒でも「上肢に頼りすぎない」。階段や浴室の手すりと同じ考え方です
杖も歩行器も、渡せば歩けるようになる道具ではありません。 持ち方と出す順番が決まっていて、そこを外すとかえって危なくなります。
素材の説明には、その順番がきちんと書いてありました。 4つの補助具を、支える量の多い順に並べてみます。
支える量が多い順に並びます
いちばん支えが多いのが平行棒内歩行です。両手で軽く握って一歩ずつ。 下肢骨折の術後や、脳卒中後の歩行を取り戻す場面で使います。
次が固定型歩行器。器を前に置いてから足を出す形です。 器を持ち上げて前に置く動作があるので、上肢の筋力も必要になります。
そして杖。最後にノルディック歩行のポールです。 ポールは支えというより、運動量を増やす道具として扱われます。
ノルディック歩行は「増やす」ための道具です
出す順番が、それぞれ決まっています
杖は、痛みのない側の手で持ちます。 そして患側の足と杖を、同時に前に出す。これが2動作歩行です。
歩行器は3つの手順に分かれます。 歩行器を前に置く、患側の足を出す、健側の足を揃える。
★どちらも、患側が真ん中に来ています。 支えを先に用意してから悪いほうを出す、という順番でそろっているわけです。
杖の高さは、大転子に合わせます
杖の指導でいちばん見落とされるのが高さだと思います。 素材の説明には、はっきり書いてありました。
- 高さの目安:大転子の位置に合わせます
- 肘の角度:約30度屈曲する長さに調整します
- 持つ手:健側、つまり痛みのない側です
借り物の杖や、家にあった杖をそのまま使っている方は多い印象です。 高さが合っていないと、体が傾いたり、肩に力が入ったりします。
平行棒でも「上肢に頼りすぎない」が共通です
歩行のイラストは歩行練習のカテゴリにまとめてあります。この記事で出てきたものは下に並べました。
おわりに
補助具の指導は、渡した日に一度説明して終わりになりがちです。 でも順番も高さも、あとから崩れていきます。
だから紙で渡しておく。杖なら「健側の手・患側と同時・大転子の高さ」の3つだけ。 この3つが書いてある紙が家にあると、あとから思い出す手がかりになるはずです。
この記事に出てくるイラスト
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この記事は、施設内の勉強会・研修づくりの進め方について、作業療法士としての経験をもとに整理したものです。法定研修の要件を満たすことを保証するものではありません。実施が必要な研修の種類・回数・内容は、指定基準や自治体の通知を確認してください。また、掲載内容は医療行為の代替となるものではありません。
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