肩が上がらない方の自主トレ、補助の強さで4段に並びます
公開 2026-08-17|作業療法士・トロル
この記事でわかること
- 補助の強さで4段。重力にまかせる、反対の手で助ける、自分の力で、重りを足すの順です
- 「肩がすくまないよう」は6つの素材に共通する注意。渡すときに実演したい内容です
- 挙上が出ないときは、肩回しや肩甲骨の内転など肩甲骨側の運動を先に置きます
肩が上がらない方に自主トレを渡すのは、けっこう気を使います。 動かしてほしいけれど、無理に上げてほしいわけではないからです。
素材を並べ直してみたら、補助の強さで4段になっていました。 今どこにいるかを決めれば、渡すものは自然に決まります。
補助の強さで4段に並びます
1段目は重力にまかせる段階です。 仰臥位で両手を組んで持ち上げる運動は、重力が補助になるため自力での挙上が難しい方にも行えます。
振り子運動も同じ列に入ります。 体を前に倒して腕を脱力させ、肩の筋肉には力を入れず、重心移動で腕を振る形です。
2段目が、反対の手で助ける段階。 タオルや棒を両手で持てば、健側で患側を引き上げる自己介助運動になります。
3段目は自分の力だけで上げる肩挙上運動。 自重で困難なら、テーブルの上で腕を滑らせる運動から始める方法が書いてあります。 4段目でようやく、ダンベルのような重りが出てきました。
6つの素材に、同じ注意が書いてあります
素材の説明文をまとめて見返して、気づいたことがあります。 「肩がすくまないよう」という注意が、6つの素材に書かれていました。
肩挙上運動、ダンベルを使った外転運動、肩甲骨の内転運動、肩回しの正面と側面、両手組みバンザイ。 種目はばらばらですが、注意は同じです。
もうひとつが「痛みが出る角度の手前で止める」で、こちらは3つ。 タオル、棒、臥位での屈曲と、いずれも補助しながら上げる運動でした。
紙に書くより、その場で見せたほうが早い注意です
上がらないときは、肩甲骨のほうから
肩の挙上が出ないとき、肩そのものを頑張らせても進まないことがあります。 そういうときに、肩甲骨側の運動を先に置きます。
- 肩回し:両手を肩にのせ、肘で大きな円を描きます。前回し・後ろ回し各10回が目安です
- 肩甲骨の内転運動:肘を後方に引きながら肩甲骨を背骨に寄せ、5秒保持します
- ドアウェイストレッチ:肘の高さを肩より上・同じ・下と変えると、伸びる部位が変わります。15〜30秒保持です
- 肩甲骨外転ストレッチ:腕を胸の前で水平に伸ばし、反対の手で引き寄せて15〜30秒保持します
ドアウェイストレッチは、肘の高さで伸びるところが変わるのが便利です。 1枚のイラストで3通りの使い方ができるので、渡す紙を増やさずに調整できます。
運動していい状態かは、先に確認してください
肩と上肢のイラストは上肢の自主トレのカテゴリにまとめてあります。この記事で出てきたものは下に並べました。
おわりに
肩の自主トレは、上げる角度の話になりがちです。 でも渡すときに決めているのは、角度ではなく補助の強さのほうでした。
重力にまかせるのか、反対の手で助けるのか、自分の力で上げるのか。 今どの段にいるかを一緒に確認してから紙を渡すと、無理に上げようとする場面が減りました。
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この記事は、施設内の勉強会・研修づくりの進め方について、作業療法士としての経験をもとに整理したものです。法定研修の要件を満たすことを保証するものではありません。実施が必要な研修の種類・回数・内容は、指定基準や自治体の通知を確認してください。また、掲載内容は医療行為の代替となるものではありません。









