息切れがある方の自主トレ、紙に「中止」を1枚まぜます
公開 2026-08-17|作業療法士・トロル
この記事でわかること
- 並べ方は「整える・動く・整える」。前後を呼吸ではさむと、整え方まで紙に残ります
- 腹式呼吸の目安は姿勢で違います。座位は5回×3セット、背臥位は10秒×3セットです
- 「息切れがあるときは運動中止」の1枚を混ぜると、やめどきが紙の上に残ります
自主トレの紙は、たいてい「やること」しか書いてありません。 この運動を10回、次はこれを10回、という並びです。
でも息切れのある方に渡すときは、それだと足りないと感じます。 やめどきが書いていない紙は、途中で止まれないからです。
順番は「整える・動く・整える」です
深呼吸は、運動前後の準備運動や整理運動として使える素材です。 肩の力を抜いて、鼻からゆっくり吸い、口から長く吐く。
真ん中に置く運動は、息切れしない範囲で選びます。 座位足踏み・腕振りなら20〜30回が目安として書いてあります。
最後は、もう一度呼吸に戻りましょう。 ここで腹式呼吸を入れると、動いたあとの整え方まで紙の上に残せます。
時間配分は僕の組み方です
同じ腹式呼吸でも、姿勢で数え方が変わります
面白いのが、腹式呼吸の目安の書かれ方です。 座位は5回×3セット、背臥位は10秒×3セットになっています。
片方は回数、もう片方は秒数。同じ腹式呼吸なのに数え方が違います。 座って行うときは呼吸の回数を、寝て行うときは持続する時間を見る形です。
- 座位での腹式呼吸:背すじを伸ばし、お腹が膨らむように意識して吸います。5回×3セットが目安です
- 背臥位での腹式呼吸:膝を立てて上向きに寝ます。10秒×3セットが目安です
- 座位でのゆっくり息吐き:肩の力を抜いて、長くゆっくり吐きます
背臥位のほうは、座位が難しい方や臥床時間の長い方に向いています。 手術後の呼吸練習の導入としても使える素材です。
「中止」の紙を1枚まぜます
素材庫には「息切れがあるときは運動中止」という1枚があります。 指導者向けの資料として作ったものですが、僕は自主トレの紙にも混ぜています。
息切れがあるときには運動を中止する。続く場合には医療機関の受診も検討する。 この2つが紙の上に残っているかどうかで、渡したあとの安心感が変わります。
深呼吸や座位でのゆっくり息吐きの素材にも、 息苦しさやめまいが出た場合は中止する、と書き添えました。
運動していい状態かどうかは、先に確認してください
座ってできる運動のイラストは高齢者の座位体操のカテゴリにまとめてあります。この記事で出てきたものは下に並べました。
おわりに
息切れのある方に自主トレを渡すのは、正直こわいものです。 僕も最初は、何も渡さないほうが安全なのではと思っていました。
でも渡さなければ動かないだけで、状態が良くなるわけでもありません。 だったら、やめどきを一緒に渡す。
呼吸ではさんで、真ん中は息切れしない範囲にして、中止の紙を足す。 この3つで、渡せる場面はずいぶん増えました。
この記事に出てくるイラスト
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この記事は、施設内の勉強会・研修づくりの進め方について、作業療法士としての経験をもとに整理したものです。法定研修の要件を満たすことを保証するものではありません。実施が必要な研修の種類・回数・内容は、指定基準や自治体の通知を確認してください。また、掲載内容は医療行為の代替となるものではありません。





