自主トレが続かないとき、渡し方を3つ変えてみる
公開 2026-08-15|作業療法士・トロル
この記事でわかること
- 続かない理由を本人のやる気に置くと、次の一手が出てきません
- 種目は3つまで。多いと「やらない」のではなく、どれからやるか迷って手が止まります
- 「いつやるか」は時刻ではなく、いまある習慣の直後にくっつけます
自主トレのプリントを渡しても、次に会ったときにはやっていない。 リハビリの仕事をしていると、たぶん誰でも通る場面だと思います。
このときに「本人のやる気の問題」と片づけてしまうと、打つ手がなくなります。 やる気はこちらから動かせないからです。動かせるのは渡し方のほうでした。
変えるのは本人ではなく、渡し方の3つ
この3つは、どれも渡す前に決まります。 渡したあとに本人に頑張ってもらう部分を、できるだけ減らしておく考え方です。
まず減らします
いちばん効くのがこれでした。種目が多いと、全部やらないのではなく、どれからやるか迷って手が止まります。
渡す側は、つい多めに用意してしまいがちです。 このサイトで無料素材をダウンロードした方の記録を見ると、1人あたり平均で7.9枚を持ち帰っていました (2026年8月1日〜7日・当サイト計測)。集めるときは、みんな多めに集めるんですね。
でも渡すときは別です。僕は3つまでに絞ります。 足りなければ次に会ったときに足せばいいし、増やすほうが本人の負担感は小さくなります。
削るなら「今日の生活で困っていること」から逆に選びます
「いつやるか」を先に決めます
次が時間です。ただし「朝10時に」のような時刻の決め方はうまくいきませんでした。 時計を見る習慣がないと、そのまま流れてしまうからです。
かわりに、いまある習慣にくっつけます。朝ごはんのあと、薬を飲んだあと、テレビをつける前。 すでに毎日起きていることの直後に置くと、思い出す手間がなくなります。
- 「朝ごはんのあと」→ 食卓に座ったままできる種目にする
- 「お風呂の前」→ 服を着替える動きとつながる種目にする
- 「テレビをつける前」→ 座ってできて、音を聞かなくていい種目にする
置く場所も一緒に決めます。プリントは引き出しにしまうと、たいてい出てきません。 やる場所から見えるところに貼ってもらいます。
できたかどうかが、紙の上で分かる形にします
最後がここです。やったかどうかが目に見えないと、本人も家族も手応えを持てません。 マス目に印をつけるだけの欄で十分でした。
大事なのは、次に会ったときにその紙を見ることです。 印がついていれば触れる。ついていなければ、なぜ止まったかを一緒に見る。 書いてもらったのに見られないと、次から書かなくなります。
印が少ないことを責める材料にしない
プリントに置くイラストは座位でできる運動や下肢の運動から選べます。文字だけの表より、絵があるほうが思い出してもらいやすいはずです。
おわりに
続かない理由を本人に置くと、次の一手が出てきません。 渡し方に置くと、直すところが3つに絞れます。
減らす、いつやるか決める、できたか分かる形にする。 どれも渡す前に終わる作業なので、今日の午後からでも変えられます。
この記事に出てくるイラスト
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この記事は、施設内の勉強会・研修づくりの進め方について、作業療法士としての経験をもとに整理したものです。法定研修の要件を満たすことを保証するものではありません。実施が必要な研修の種類・回数・内容は、指定基準や自治体の通知を確認してください。また、掲載内容は医療行為の代替となるものではありません。





