摂食嚥下機能回復体制加算(A308算定患者での取扱い)の算定要件・単位数
- 分野
- 回復期リハビリテーション病棟
- 対象:
- 医療保険 令和8年度(2026年度)
- 内容の確認日(一次資料):
- 2026-07-11
- 最新の月次点検:
- 2026-09-02変更まとめ
対象制度・改定の範囲
医療保険:令和8年度診療報酬改定(2026-06-01施行)
改定・疑義解釈を毎月点検しています。新しい資料がこの項目に影響したときだけ内容を確かめ直し、確認日を更新します。
単位数・点数
- 摂食嚥下機能回復体制加算1/週1回
- 210点
- 摂食嚥下機能回復体制加算2/週1回
- 190点
- 摂食嚥下機能回復体制加算3/週1回
- 120点
- (前提)H004 摂食機能療法・30分以上の場合
- 185点
- (前提)H004 摂食機能療法・30分未満の場合
- 130点
H004摂食機能療法の注3の加算。患者1人につき週1回に限り所定点数に加算する。施設基準の届出が必要。
H004摂食機能療法の注3の加算。患者1人につき週1回に限り所定点数に加算する。施設基準の届出が必要。
患者1人につき週1回に限り加算。療養病棟入院料1又は療養病棟入院料2を現に算定している患者に限るため、回復期リハビリテーション病棟入院料を算定する患者は対象外。
1月に4回限度。ただし治療開始日から起算して3月以内の患者は1日につき算定できる。
脳卒中の患者であって摂食機能障害を有するものに対し、脳卒中の発症から14日以内に限り1日につき算定できる。
| 区分 | 単位数・点数 | 補足 |
|---|---|---|
| 摂食嚥下機能回復体制加算1/週1回 | 210点 | H004摂食機能療法の注3の加算。患者1人につき週1回に限り所定点数に加算する。施設基準の届出が必要。 |
| 摂食嚥下機能回復体制加算2/週1回 | 190点 | H004摂食機能療法の注3の加算。患者1人につき週1回に限り所定点数に加算する。施設基準の届出が必要。 |
| 摂食嚥下機能回復体制加算3/週1回 | 120点 | 患者1人につき週1回に限り加算。療養病棟入院料1又は療養病棟入院料2を現に算定している患者に限るため、回復期リハビリテーション病棟入院料を算定する患者は対象外。 |
| (前提)H004 摂食機能療法・30分以上の場合 | 185点 | 1月に4回限度。ただし治療開始日から起算して3月以内の患者は1日につき算定できる。 |
| (前提)H004 摂食機能療法・30分未満の場合 | 130点 | 脳卒中の患者であって摂食機能障害を有するものに対し、脳卒中の発症から14日以内に限り1日につき算定できる。 |
算定要件
- A308注3は、包括の対象から「第7部リハビリテーションの費用(別に厚生労働大臣が定める費用を除く。)」を除いている。つまり第7部リハビリテーションの費用は、大臣が定める費用に当たらない限り、回復期リハビリテーション病棟入院料等を算定していても別に算定できる。
- その「別に厚生労働大臣が定める費用」は、基本診療料の施設基準等 第十(11)で別表第九の三に委任されている。別表第九の三は、1日につき6単位を超える心大血管疾患・脳血管疾患等・廃用症候群・運動器・呼吸器の各リハビリテーション料の費用(発症後60日以内の脳血管疾患等の患者に行ったものを除く)であって、リハビリテーションの提供実績を相当程度有し、かつ効果に係る相当程度の実績が認められない場合に限る、と定めている。
- H004摂食機能療法とその注3の摂食嚥下機能回復体制加算は、別表第九の三に掲げられていない。したがって回復期リハビリテーション病棟入院料等を算定する患者についても、要件を満たせば別に算定できる。
- 摂食機能療法は、摂食機能障害を有する患者に対し、個々の患者の症状に対応した診療計画書に基づき、医師・歯科医師、又はその指示の下に言語聴覚士・看護師・准看護師・歯科衛生士・理学療法士・作業療法士が、1回につき30分以上の訓練指導を行った場合に算定する。
- 摂食嚥下機能回復体制加算は、患者1人につき週1回に限り、所定点数に加算する。(この一文は令和8年3月5日官報掲載の告示本文から脱落しており、令和8年4月2日事務連絡の官報掲載事項の一部訂正で「正」として示されている。)
- 摂食嚥下機能回復体制加算は、摂食嚥下支援チーム等による対応によって摂食機能又は嚥下機能の回復が見込まれる患者に対し、多職種が共同して必要な指導管理を行った場合に算定する。
- 加算の算定には、次の3つをいずれも満たすことが必要。①内視鏡下嚥下機能検査又は嚥下造影の結果に基づく摂食嚥下支援計画書の作成(患者・家族への説明と交付、写しの診療録等への添付)②月1回以上の内視鏡下嚥下機能検査又は嚥下造影と、週1回以上のカンファレンス③カンファレンスの結果に基づく計画書・嚥下調整食・摂食方法等の見直しと指導管理。
- 加算を算定するに当たっては、FIM及びFOIS(Function Oral Intake Scale)を測定する。
- 施設基準(特掲診療料の施設基準等 一の二)は、加算1が「十分な体制」+「相当の実績」、加算2が「十分な体制」、加算3が「必要な体制」+療養病棟入院料1又は2を算定する病棟を有する病院であること+「相当の実績」。いずれも地方厚生局長等への届出が必要。
- 摂食嚥下支援チームの言語聴覚士は、令和8年度改定で「専従」から「専任」に緩和された。専任の常勤言語聴覚士は、チームの業務に支障がない範囲で、疾患別リハビリテーションの専従又は専任の言語聴覚士を兼ねて差し支えない(疑義解釈その1 問45)。
この項目がわかりにくい方へ|図解で解説しています
算定要件は条件を並べたものなので、どういう順番で進むかまでは書かれていません。 そこを図にして並べ直した記事があります。
ここから下は、算定したあとの記録と自己点検の目安です。事業所内の自己点検用に整理したもので、実地指導等での判断を保証するものではありません。
記録に残すこと
- 摂食嚥下支援計画書(患者・家族に説明し交付したもの)の写しを診療録等に添付。
- 摂食機能療法の治療開始日、毎回の訓練内容、訓練の開始時間及び終了時間の診療録等への記載。
- 内視鏡下嚥下機能検査又は嚥下造影の実施日と結果。
- カンファレンスの概要と、計画書等を見直した際の見直しの要点(診療録等に記載、又は計画書の写しを添付)。
- FIM及びFOISの測定結果。
- 診療報酬明細書の摘要欄への記載(摂食機能療法:疾患名及び治療開始日/加算:内視鏡下嚥下機能検査又は嚥下造影を実施した日付、カンファレンスを実施した日付)。
- 摂食嚥下機能回復体制加算の施設基準に係る届出書類。
自己点検で見るポイント
- 回復期リハビリテーション病棟入院料等を算定する患者について、摂食機能療法とその加算を包括されるものと誤解して算定漏れになっていないか。
- 1回30分以上の訓練指導を行った記録があるか(30分未満で「1」を算定していないか)。
- 内視鏡下嚥下機能検査又は嚥下造影を月1回以上実施しているか。
- 摂食嚥下支援計画書の見直しに係るカンファレンスを週1回以上行っているか。
- 摂食嚥下支援計画書を患者又はその家族等に説明の上交付し、写しを診療録等に添付しているか。
- FIM及びFOISを測定しているか。
- 摘要欄に、疾患名・治療開始日・検査実施日・カンファレンス実施日を記載しているか。
つまずきやすい点
- 摂食嚥下機能回復体制加算3は「療養病棟入院料1又は療養病棟入院料2を現に算定している患者」に限られる。回復期リハビリテーション病棟入院料を算定する患者では算定できないため、回復期で検討するのは加算1又は加算2になる。
- A308で包括されるリハビリテーションの費用は、別表第九の三が定める「1日6単位を超える疾患別リハビリテーション料(低実績の病棟に限る)」だけである。摂食機能療法は疾患別リハビリテーション料ではないため、この6単位の枠とは別に扱う。
- ★算定回数は「週1回」だが、告示PDFと法令等データベースの溶け込み版では読み取れない。令和8年3月5日官報掲載の告示本文から「1人につき週1回に限り次に掲げる点数を所定点数に加算する。」の一文が脱落しており、令和8年4月2日事務連絡の官報訂正で補われた。厚生労働省が掲載している点数表PDF(001686842.pdf)と法令等データベースの溶け込み版は、いずれもこの訂正が未反映のまま。条文を引くときは訂正資料まで確認すること。
- 口腔ケアのみを行う場合は嚥下訓練(間接訓練)に含まれない。専ら食事介助又は食事観察を行うものは嚥下訓練(直接訓練)に含まれない。
- 地域包括ケア病棟入院料(A308-3)では、包括範囲からH004摂食機能療法だけが名指しで除かれている。回復期(A308)とは条文の作りが違うので、病棟ごとに読み分けること。
この項目が関わる併算定・前提加算の規定が1件あります。一緒に算定している加算と組み合わせて確認できます。
組み合わせチェックを開く根拠資料
- 医科診療報酬点数表(令和8年厚生労働省告示)現行版
PDF p.73 A308 注3、PDF p.237 H004 摂食機能療法・注1〜注3
- 基本診療料の施設基準等(平成20年厚生労働省告示第62号)現行溶け込み版
第十(11) 回復期リハビリテーション病棟入院料の注3に規定する費用=別表第九の三に掲げる費用
- 基本診療料の施設基準等(平成20年厚生労働省告示第62号)現行溶け込み版 別表第九の三
別表第九の三(回復期リハビリテーション病棟入院料及び特定機能病院リハビリテーション病棟入院料における別に厚生労働大臣が定める費用)
- 令和8年度 実施上の留意事項通知(医科・令和8年7月30日訂正反映版)
PDF p.123 A308(13)、PDF p.509-510 H004(1)〜(10)
- 特掲診療料の施設基準等(平成20年厚生労働省告示第63号)現行溶け込み版
一の二 摂食機能療法の注3に規定する施設基準(加算1〜3)
- 令和8年度診療報酬改定関連通知及び官報掲載事項の一部訂正について(令和8年4月2日事務連絡)別添7 官報掲載事項の一部訂正
PDF p.351 別表第一 H004 摂食機能療法 注3(誤/正)
このページは厚生労働省の告示・通知・疑義解釈をもとに、リハビリ専門職の自己点検用に整理したものです。正確性には最大限配慮していますが、内容を保証するものではありません。実際の算定・請求にあたっては必ず原本(告示・通知)を確認し、判断に迷う場合は保険者・地方厚生局にお問い合わせください。