在宅復帰・在宅療養支援機能加算、(Ⅰ)と(Ⅱ)の分かれ目を図解
公開 2026-08-15|作業療法士・トロル
この記事でわかること
- (Ⅰ)も(Ⅱ)も51単位/日です。どちらが得かではなく、自施設がどちらに当たるかを見ます
- 先に決まるのは、いま算定している基本報酬の区分です。算式の数はその次に見ます
- AからJはひとつの式ではなく、性格の違う10項目の集まりです
- 名前のよく似た「在宅復帰支援機能加算」は10単位/日の別の加算です
在宅復帰・在宅療養支援機能加算は、(Ⅰ)と(Ⅱ)のどちらを取るか選ぶ加算だと思われがちです。 でも実際は、選べるものではありません。
単位数は(Ⅰ)も(Ⅱ)も同じで、自施設がどちらに当たるかが先に決まっているからです。 その決まり方を図にすると、要件の並びがだいぶ見通しやすくなります。
(Ⅰ)と(Ⅱ)は、どちらが得かという話ではありません
加算(Ⅰ)も加算(Ⅱ)も51単位/日です。金額で有利不利がつく作りにはなっていません。 分かれ目は、いま算定している介護保健施設サービス費の区分と、算式で出した数の2つです。
- 加算(Ⅰ):サービス費(Ⅰ)の(i)・(iii)側で、AからJまでの算式が40以上。これに加えて地域に貢献する活動を行っていること
- 加算(Ⅱ):サービス費(Ⅰ)の(ii)・(iv)側で、AからJまでの算式が70以上
地域貢献活動が出てくるのは加算(Ⅰ)の要件です。ここは(Ⅱ)と作りが違うところなので、 (Ⅰ)を算定するなら活動そのものを続けている状態が要ります。
基本報酬に出てくる20・60と混ぜないようにします
なお、この加算は電子情報処理組織を使う方法で都道府県知事へ届出を行った老健であることが前提です。 そして、イ(4)またはロ(4)を算定している施設では算定しません。
AからJまでの算式は、10個の項目の集まりです
「AからJ」と書かれていると、何かひとつの計算式のように見えます。 実際には性格の違う10項目が並んでいて、その合計が40や70という数です。
並べ直すと、この加算が何を見ているのかが伝わってきます。 在宅へ帰しているか、家と行き来しているか、在宅サービスを自分でやっているか。 そこに職員配置と、受け入れている方の重さが加わる形です。
入所前後訪問と退所前後訪問が指標に入っているのは、なかなか示唆的だと思います。 入口と出口の動きは入所前後訪問指導加算や退所時等支援等加算とも重なっていて、日々の動きがそのまま指標に効いてきます。
記号と配点は告示で確認します
名前のよく似た「在宅復帰支援機能加算」は別の加算です
ここが取り違えやすいところです。老健には、名前がひと文字違いに見える加算がもうひとつあります。 在宅復帰支援機能加算で、こちらは10単位/日の別物です。
| 在宅復帰・在宅療養支援機能加算 | 在宅復帰支援機能加算 | |
|---|---|---|
| 単位数 | (Ⅰ)(Ⅱ)とも51単位/日 | 10単位/日 |
| 対象の基本報酬 | サービス費(Ⅰ)(イ(1)・ロ(1))の中で(Ⅰ)(Ⅱ)に分かれる | サービス費(Ⅱ)(Ⅲ)(イ(2)(3)・ロ(2)(3))のみ |
| 見る数字 | AからJまでの算式が40以上または70以上 | 退所後に在宅で介護を受けることとなった方の割合が100分の30超 |
対象になる基本報酬がきれいに分かれています。サービス費(Ⅰ)なら前者、(Ⅱ)(Ⅲ)なら後者です。 サービス費(Ⅳ)は、どちらの対象にもなりません。
つまり自施設の基本報酬の区分が決まった時点で、見るべき加算はひとつに絞られます。 両方を並べて比べる場面は、そもそも起きない作りです。
それぞれの単位数と要件の原文、根拠になる告示へのリンクは在宅復帰・在宅療養支援機能加算のページと在宅復帰支援機能加算のページに載せています。
おわりに
この加算の要件が読みにくいのは、施設の区分・指標の数・活動の有無が一続きの文で書かれているからだと思います。 順番に分けてしまえば、判断そのものは複雑ではありません。
まず自施設の基本報酬の区分を確かめる。次に算式の数を見る。(Ⅰ)側なら地域貢献活動も置く。 この3段で、どこに当たるかは決まります。
関連する報酬チェック
単位数・算定要件・根拠資料はこちらで確認できます
この記事は、厚生労働省の告示・通知・疑義解釈をもとに、リハビリ専門職の自己点検用に整理したものです。個別ケースの算定可否を判断するものではありません。実際の請求にあたっては原本を確認し、判断に迷う場合は保険者・地方厚生局への確認を優先してください。また、掲載内容は医療行為の代替となるものではありません。