椅子と車椅子の座り方、どちらも骨盤から見ます
公開 2026-08-18|作業療法士・トロル
この記事でわかること
- 椅子も車椅子も、見る順番は骨盤が先で足が次。背中から入らないほうが戻りません
- 椅子は高さを見ます。低い椅子は立ち上がりで膝と腰の負担が大きくなります
- 車椅子は座面の奥行き・背もたれの角度・アームレストの高さと、除圧を見ます
- 立ち上がりの前にブレーキ。この1手順だけを描いたイラストも使えます
座り方が崩れている方を見たとき、どこから直すか迷います。 背中を起こしてもらうのか、椅子を替えるのか。
素材の説明を読み比べたら、見る順番が書いてありました。 そして椅子と車椅子で、見るところが違いました。
どちらも、骨盤から見ます
椅子の説明には「骨盤を立てて深く腰掛け、足底をしっかり床につける」とあります。 車椅子は「骨盤を起こして背もたれに適切に接触させ、足をフットレストに乗せる」。
言葉は違いますが、順番は同じです。骨盤が先で、足が次。
「背筋を伸ばして」から入らないほうがよい理由
椅子は「高さ」、車椅子は「奥行きと角度」を見ます
椅子で真っ先に見るのは高さです。 低い椅子は、立ち上がるときに膝や腰への負担が大きくなります。
だから素材庫には「低い椅子に座る」というNG例の1枚があります。 座面の高さを上げる、手すりを設置する。環境調整とセットで伝える絵です。
車椅子は、そう単純には替えられません。 見るところが3つあります。座面の奥行き、背もたれの角度、アームレストの高さ。
- 座面の奥行き:深く座れているか。奥行きが合わないと骨盤が滑ります
- 背もたれの角度:骨盤が適切に接触しているかを見ます
- アームレストの高さ:肩がすくんだり、逆に落ちたりしていないかを見ます
- 除圧:長時間座るなら、定期的な除圧も指導に含めます
★椅子は「替える」もの、車椅子は「合わせる」もの。 同じ座り方の話でも、打てる手が違うということです。
立ち上がる前の1手順も、絵で渡せます
車椅子からの立ち上がりには、順番があります。 ブレーキをかけ、フットレストを上げて、足を引き寄せる。それからお辞儀をするように前へ。
ここでいちばん抜けるのがブレーキです。 素材庫には、ブレーキ操作だけを描いた1枚があります。
止まったら両側のブレーキをかける。立ち上がりや移乗の前に、かかっているか確認する。 この習慣づけが転倒や事故の予防になる、と説明に書かれています。
この絵はスタッフ向けにも使えます
座位のイラストは高齢者の座位体操のカテゴリにまとめてあります。この記事で出てきたものは下に並べました。
おわりに
座り方の指導は、一度言えば終わるものではありません。 何度も同じことを伝えることになります。
だからこそ、毎回同じ順番で言えるようにしておきたいところです。 骨盤、足、それから椅子か車椅子か。この3つだけ決めておけば、言葉に迷いません。
この記事は医療行為の代わりになるものではありません。 対象の方の状態に合わせて、専門職が判断してください。
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この記事は、施設内の勉強会・研修づくりの進め方について、作業療法士としての経験をもとに整理したものです。法定研修の要件を満たすことを保証するものではありません。実施が必要な研修の種類・回数・内容は、指定基準や自治体の通知を確認してください。また、掲載内容は医療行為の代替となるものではありません。





