老健で退所が決まると、急に忙しくなる理由
公開 2026-08-20|作業療法士・トロル
この記事でわかること
- 情報を渡す相手ごとに別の項目です。ケアマネ・主治医・医療機関・訪問看護で分かれます
- どれも入所者1人につき1回が限度。何度も連絡すれば増えるものではありません
- 一番大きい連携は入所後30日以内から始まります。退所が決まってから動くのでは届きません
- お試しで家に帰る仕組みは1日800単位。上乗せではなく置き換えで、初日と最終日は算定しません
退所の日が決まると、急に会議が増えます。 書類が回りはじめて、あちこちに連絡が飛びます。
なんとなく慌ただしいのではありません。 ★情報を誰に渡したかで、点数が分かれています。
渡す先ごとに、別の項目になっています
いちばん大きいのが、ケアマネジャーとの連携です。 入退所前連携加算(Ⅰ)で600単位、(Ⅱ)で400単位になります。
主治医へ渡すと退所時情報提供加算(Ⅰ)で500単位。 入院先の医療機関へ渡す場合は(Ⅱ)で250単位です。
退所時に訪問看護が必要だと施設の医師が認めて、指示書を交付すると300単位。 ★連絡ひとつひとつが、別の項目として立っています。
どれも「1人につき1回」です
いちばん大きい項目は、入所直後から始まっています
ここが意外なところです。 600単位の入退所前連携加算(Ⅰ)の要件を読むと、退所前の話だけではありません。
- 入所予定日前30日以内または入所後30日以内に、退所後に利用を希望する居宅介護支援事業者と連携すること
- 本人の同意を得て、退所後の居宅サービス等の利用方針を定めること
- 退所に先立って、診療状況を示す文書を添えて必要な情報を提供し、調整を行うこと
★つまり退所の準備は、入所して30日以内に始まっていることになります。 退所が決まってから動き出すのでは、この区分には届きません。
入所直後に動く理由は最初の1か月に担当者が急いでいる理由にも書きました。入口と出口はつながっています。
お試しで家に帰る仕組みもあります
試行的退所時費用は1日800単位で、1月に6日までです。 退所が見込まれる方を居宅に試しに帰し、施設が居宅サービスを提供します。
★数え方は外泊時費用と同じです。 所定単位数に代えて算定するので上乗せではなく、初日と最終日は算定しません。
このとき本人と家族に退所後の療養上の指導を行うと、試行的退所時指導加算が400単位。 最初に試行的な退所を行った月から3月の間に限り、1月に1回までです。
おわりに
退所前が忙しいのは、渡す先がそれぞれ別に決まっているからでした。 ケアマネ、主治医、医療機関、訪問看護。相手ごとに1回ずつです。
そして一番大きい連携は、入所して30日以内から始まっています。 ★退所支援は最後の仕事ではなく、最初からの仕事だということになります。
実際の請求では、原本と保険者への確認を優先してください。 個別のケースで算定できるかどうかは、この記事では判断できません。
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この記事は、厚生労働省の告示・通知・疑義解釈をもとに、リハビリ専門職の自己点検用に整理したものです。個別ケースの算定可否を判断するものではありません。実際の請求にあたっては原本を確認し、判断に迷う場合は保険者・地方厚生局への確認を優先してください。また、掲載内容は医療行為の代替となるものではありません。