老健の最初の1か月、担当者が急いでいる理由
公開 2026-08-19|作業療法士・トロル
この記事でわかること
- 居宅への訪問は入所予定日の前30日以内か入所後7日以内。入所してからだと7日しかありません
- 訪問は入所中1回だけ。行く時期と、その日に何を決めるかで区分が変わります
- 入所日から30日以内は上乗せがあります。どこから来たかで(Ⅰ)(Ⅱ)が分かれます
老健に入所した方が来ると、最初の1週間だけ妙に慌ただしくなります。 担当者が急に家へ行ったり、書類の締切を気にしたりします。
あれには理由があります。 入所した日から、期限のある仕組みが動き出しているからです。
最初の1か月には、締切が2つあります
1つ目は、退所後に生活する居宅への訪問です。 入所予定日の前30日以内か、入所後7日以内に行くことになっています。
★入所してからだと7日しかありません。 担当者が急いで日程を押さえにいくのは、この窓が狭いからです。
2つ目は初期加算です。 入所日から30日以内の期間だけ、1日につき上乗せがあります。
訪問は「入所中1回だけ」です
訪問の日に何を決めたかで、金額が変わります
居宅への訪問には2つの区分があります。 どちらも訪問すること自体は同じで、違うのはその後です。
- 450単位:退所を目的とした施設サービス計画の策定と、診療方針の決定を行った場合
- 480単位:上に加えて、生活機能の具体的な改善目標を定め、退所後の生活に係る支援計画まで策定した場合
差は30単位です。 金額の大小より、★「帰ったあとどう暮らすか」まで決めたかどうかが分かれ目だと読むほうが実務に近いと思います。
なお退所先が居宅ではなく他の社会福祉施設等になる場合も、本人の同意を得てそこを訪問すれば同じ扱いになります。 行き先が家とは限らない、という前提が制度の側にも置かれています。
初期加算は、どこから来たかで変わります
初期加算には(Ⅰ)と(Ⅱ)があり、どちらか一方だけを算定します。 (Ⅰ)が1日60単位、(Ⅱ)が1日30単位です。
(Ⅰ)になるのは、その方が急性期医療を担う一般病棟に入院して、30日以内に退院してきた場合です。 加えて、施設が空床情報を地域の医療機関へ定期的に共有していることも要ります。
ここは施設側の条件も絡みます
区分の細かい条件は初期加算の(Ⅰ)と(Ⅱ)を分ける2つの条件で図解しています。
おわりに
最初の1週間が慌ただしいのは、段取りが悪いからではありません。 7日という窓が制度の側にあるからです。
そう分かると、入所の連絡を受けた時点で動く意味が見えてきます。 入所してから考えるのでは、間に合わないことがあるからです。
実際の請求では、原本と保険者への確認を優先してください。 個別のケースで算定できるかどうかは、この記事では判断できません。
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この記事は、厚生労働省の告示・通知・疑義解釈をもとに、リハビリ専門職の自己点検用に整理したものです。個別ケースの算定可否を判断するものではありません。実際の請求にあたっては原本を確認し、判断に迷う場合は保険者・地方厚生局への確認を優先してください。また、掲載内容は医療行為の代替となるものではありません。