老健の食事の時間に、人が集まる理由
公開 2026-08-20|作業療法士・トロル
この記事でわかること
- 「食事の観察」そのものが要件に書かれています。その場にいることが仕事の一部です
- 歯科衛生士は利用者だけでなく、介護職員への技術的助言・指導も要件に入っています
- 外部の言語聴覚士などが会議に加わると上乗せがあります。呼ぶことが想定されています
老健の食堂は、食事の時間だけ人が増えます。 管理栄養士が来て、看護師が見て、歯科衛生士が回ってくる日もあります。
手が足りないから集まっているように見えますが、それだけではありません。 ★「食事を見ること」そのものが、いくつかの要件に書かれています。
観察が、要件の中に入っています
いちばん分かりやすいのが経口維持加算です。 1月につき400単位で、対象は経口で食べていて誤嚥が認められる方になります。
その要件に食事の観察および会議等を行うことと書かれています。 しかも医師・歯科医師・管理栄養士・看護師・介護支援専門員その他の職種が共同して、です。
だから食事の時間に人が集まります。 ★その場にいることが、仕事の一部として位置づけられているからです。
栄養マネジメント強化加算にも観察が入っています
歯科衛生士が来る日にも、決まりがあります
口腔衛生管理加算は1月につき90単位、情報を提出する区分だと110単位です。 歯科医師の指示を受けた歯科衛生士が、口腔衛生等の管理を月2回以上行います。
★見落とされやすいのが、その次の要件です。 歯科衛生士が介護職員に対し具体的な技術的助言および指導を行うことも入っています。
口腔の相談に必要に応じて対応することも要件です。 つまり歯科衛生士は、利用者だけでなく職員にも関わることになっています。
言語聴覚士が呼ばれる場面は2つあります
リハ職から見ると、食事にはSTの出番が2か所あります。 どちらも要件に名前が出てきます。
- 経口移行加算(1日28単位):経管で食べている方を経口へ進める計画に従い、言語聴覚士または看護職員が支援します
- 経口維持加算(Ⅱ)(1月100単位):食事の観察および会議等に、配置医師を除く医師・歯科医師・歯科衛生士または言語聴覚士が加わります
★後者が面白いところです。 外部の専門職が会議に加わると、100単位が上乗せされます。
STが施設にいない老健でも、外から加わってもらう形が制度の側に用意されています。 「呼んでもいいのか」と迷う場面ですが、想定されている動き方です。
算定の流れそのものは経口維持・経口移行の流れにまとめてあります。
おわりに
食事の時間に人が集まるのは、手が足りないからだけではありませんでした。 見ること自体が仕事として位置づけられているからです。
そう分かると、食堂での立ち位置も変わってきます。 ★ただ介助するのではなく、何を見て何を残すかが問われている場面だからです。
実際の請求では、原本と保険者への確認を優先してください。 個別のケースで算定できるかどうかは、この記事では判断できません。
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この記事は、厚生労働省の告示・通知・疑義解釈をもとに、リハビリ専門職の自己点検用に整理したものです。個別ケースの算定可否を判断するものではありません。実際の請求にあたっては原本を確認し、判断に迷う場合は保険者・地方厚生局への確認を優先してください。また、掲載内容は医療行為の代替となるものではありません。