経口維持加算の流れ、経口移行加算との違いを図解しました
公開 2026-08-15|作業療法士・トロル
この記事でわかること
- 経口維持加算(Ⅰ)は、医師の評価から栄養管理まで6つの段階で進みます
- 対象はいま口から食べている方です。経管栄養の方が対象の経口移行加算とは逆になります
- (Ⅱ)は(Ⅰ)への上乗せで、協力歯科医療機関と、配置医師を除く専門職の参加が要ります
経口維持加算と経口移行加算は、名前が似ているうえに同じ食事の話をしています。 そのせいで、どちらの対象なのか一瞬迷う場面があります。
でも2つは、対象になる方がちょうど逆です。 そこさえ先に固めてしまえば、あとは流れを追うだけになります。
対象になるのは、いま口から食べている方です
経口維持加算の対象は、現に経口により食事を摂取する方です。 そのうえで摂食機能障害があり、誤嚥が認められることが条件になっています。
一方の経口移行加算は、現に経管で食事を摂取している方が対象です。 口から食べられるように進めていく加算なので、出発点そのものが違います。
経口移行加算を算定していると、経口維持加算(Ⅰ)は算定しません
経口維持加算(Ⅰ)は、この順番で進みます
最初に来るのは、医師の判断による摂食・嚥下機能の評価です。 そのうえで医師または歯科医師の指示があり、そこから多職種の動きが始まります。
- 食事の観察と会議等:医師、歯科医師、管理栄養士、看護師、介護支援専門員その他の職種が共同して行います
- 経口維持計画:入所者ごとに作ります。経口による継続的な食事の摂取を進めるための計画です
- 栄養管理:計画に従って、指示を受けた管理栄養士または栄養士が行います
ひとつ細かい条件があって、歯科医師が指示を行う場合は、 指示を受ける管理栄養士等が医師の指導を受けている場合に限られます。 指示を出すのが医師か歯科医師かで、確かめる相手がひとつ増えるわけです。
これらとは別に、施設として整えておく体制もあります。 誤嚥等が発生した場合の管理体制と、食形態への配慮です。 そして摂食・嚥下機能の評価、管理体制、食形態の配慮を多職種が共同して実施する体制であること。 個別のケースを動かす前に、この土台が要ります。
(Ⅱ)は、(Ⅰ)に2つ積み上げた形です
経口維持加算(Ⅱ)は、(Ⅰ)とは別物ではありません。 (Ⅰ)を算定していることが前提で、そこに2つの条件が乗ります。
- 協力歯科医療機関を定めている老健であること
- 食事の観察と会議等に、配置医師を除く医師、歯科医師、歯科衛生士または言語聴覚士が加わること
さきほどの図の下段が、この2つにあたります。 ポイントは、配置医師が除かれているところです。いつものメンバーだけで会議を開いても、 (Ⅱ)の要件にはなりません。
言語聴覚士が名指しで入っているのは、リハビリ職として少しうれしい書きぶりです。 外部の歯科医師や歯科衛生士と並んで、食事の場に加わる職種として置かれています。
(Ⅰ)(Ⅱ)それぞれの単位数と要件の原文、根拠になる告示へのリンクは経口維持加算のページに、経口移行加算のほうは経口移行加算のページにまとめています。
おわりに
経口維持加算の要件が長く見えるのは、体制の話と個別ケースの話が同じ場所に並んでいるからでしょう。 読むときに、この2つを分けるだけでずいぶん軽くなります。
土台として整えておくものと、その人について動かすもの。 図の流れは後者にあたります。前者は一度整えれば、次のケースでも使えます。
関連する報酬チェック
単位数・算定要件・根拠資料はこちらで確認できます
この記事は、厚生労働省の告示・通知・疑義解釈をもとに、リハビリ専門職の自己点検用に整理したものです。個別ケースの算定可否を判断するものではありません。実際の請求にあたっては原本を確認し、判断に迷う場合は保険者・地方厚生局への確認を優先してください。また、掲載内容は医療行為の代替となるものではありません。