老健のリハビリが週3回・3か月になる理由
公開 2026-08-19|作業療法士・トロル
この記事でわかること
- 週3回程度のリハビリは、老健の上位区分の基本報酬に書かれた要件です
- 3か月で終わるのはリハビリではなく上乗せ。週3回程度の要件はそのまま続きます
- 上乗せの(Ⅰ)は測って出して見直すことが条件。評価を続けること自体が対象になります
- 認知症の方の上乗せには1週に3日という上限があります
老健で働き始めると、だいたい同じところでつまずきます。 リハビリがなぜ週3回なのか、なぜ3か月で薄くなるのか。
誰かが決めた慣習のように見えますが、そうではありません。 どちらも報酬の要件に書かれている数字です。
「週3回程度」は、基本報酬の要件に入っています
老健の基本報酬にはいくつも区分があります。 そのうち上位の区分を取るには、条件のひとつとして入所者への少なくとも週3回程度のリハビリテーションが求められます。
つまり週3回は、現場の裁量で決めた回数ではありません。 施設が算定している区分の前提になっています。
回数だけが要件ではありません
3か月は「終わり」ではなく「濃くやる期間」です
短期集中リハビリテーション実施加算は、入所日から起算して3月以内の期間だけ算定できます。 1日につき、加算(Ⅰ)が258単位、加算(Ⅱ)が200単位です。
ここが誤解されやすいところです。 ★3か月でリハビリが終わるのではなく、上乗せが終わります。
だから3か月を過ぎた方のリハビリが無くなるわけではありません。 週3回程度という基本報酬側の要件は、そのまま続いています。
(Ⅰ)と(Ⅱ)の差は、測って出しているかどうかです
加算(Ⅰ)と(Ⅱ)は、どちらか一方だけを算定します。 差は58単位ですが、条件はかなり違います。
- 加算(Ⅰ) 258単位/日:原則として入所時と、1月に1回以上ADL等の評価を行うこと
- その評価結果等の情報を厚生労働省に提出し、必要に応じて計画を見直していること
- 加算(Ⅱ) 200単位/日:入所日から起算して3月以内に集中的なリハビリテーションを行うこと
★測って、出して、見直す。この3つがあるかどうかで区分が変わります。 評価を続けることそのものが、報酬の対象になっているという形です。
認知症の方は、週3日までという上限があります
認知症短期集中リハビリテーション実施加算は、加算(Ⅰ)が240単位、加算(Ⅱ)が120単位です。 期間はやはり入所日から起算して3月以内になります。
ただしこちらには1週に3日を限度という上限があります。 ★同じ3か月でも、週の使い方が違うわけです。
対象になるのは、認知症であると医師が判断した方で、 リハビリテーションによって生活機能の改善が見込まれると判断された方です。 診断名だけで自動的に決まるものではありません。
3分野をまたいだ起算日の違いは短期集中リハの3月以内、どこから数えるかで整理しています。
おわりに
週3回も3か月も、現場が勝手に決めた数字ではありませんでした。 前者は基本報酬の要件、後者は上乗せがある期間です。
そう分かると、3か月が近づいたときの声かけも変わります。 「もう終わりです」ではなく「上乗せの期間が終わります」と言えるからです。
実際の請求では、原本と保険者への確認を優先してください。 個別のケースで算定できるかどうかは、この記事では判断できません。
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この記事は、厚生労働省の告示・通知・疑義解釈をもとに、リハビリ専門職の自己点検用に整理したものです。個別ケースの算定可否を判断するものではありません。実際の請求にあたっては原本を確認し、判断に迷う場合は保険者・地方厚生局への確認を優先してください。また、掲載内容は医療行為の代替となるものではありません。