老健が「帰るための施設」と言われる理由
公開 2026-08-19|作業療法士・トロル
この記事でわかること
- 在宅復帰の実績を表す指標が20以上でないと、基本報酬の上位区分を算定できません
- 算式の10項目には入所前後訪問やリハ職の配置が入っています。日々の仕事が指標に効いています
- 名前のよく似た在宅復帰支援機能加算は別物。前6月の在宅復帰割合が30%超という条件です
- 帰したあと1月以上続く見込みまで確認して記録することが求められます
老健は「家に帰るための施設」だと説明されます。 入職のときにそう習った方も多いと思います。
ただ、これは理念の話ではありません。 報酬の作りそのものが、何人帰したかを測るようにできています。
帰した実績が、土台の点数を動かします
老健には「在宅復帰・在宅療養支援等指標」という数字があります。 算式で計算して出す、施設の実績を表す数です。
この数が20以上でないと、基本報酬の上位の区分を算定できません。 さらに上の区分では60以上が求められます。
★ここが大事なところです。加算が付くかどうかの話ではなく、土台の点数そのものが変わります。
上の区分にはリハビリの回数も入っています
算式の中身に、日々の仕事が入っています
指標はAからJまでの10項目から計算するものです。 おもなものを並べてみると、事務の数字ばかりではないことが分かります。
- 居宅への退所者割合/平均在所日数
- 入所前後訪問・退所前後訪問の実施状況
- 訪問リハビリテーション・通所リハビリテーション・短期入所療養介護の実施状況
- リハビリテーション職員の配置/支援相談員の配置
- 要介護4又は5の割合/喀痰吸引の実施割合/経管栄養の実施割合
★あなたが入所前後訪問に行くこと自体が、この算式の項目に入っています。 リハ職が何人いるかも同じです。
訪問に行く日の調整が大変でも、あれは施設の区分に効いています。 そう考えると、締切を気にする理由も見えてくると思います。
名前のよく似た加算が別にあります
ここで1つ紛らわしいものがあります。 「在宅復帰支援機能加算」という、名前のよく似た別の加算です。
- 在宅復帰・在宅療養支援機能加算:1日51単位。指標40以上または70以上
- 在宅復帰支援機能加算:1日10単位。対象の区分も条件も別
後者は、算定日が属する月の前6月間に退所した方のうち、 退所後在宅で介護を受けることとなった方の割合が100分の30を超えていることが条件です。
さらに条件が続きます。 退所後30日以内に施設の職員が居宅を訪問するか、居宅介護支援事業者から情報提供を受けてください。
そのうえで ★在宅での生活が1月以上続く見込みだと確認し、記録に残すところまでが要件です。
「帰した」で終わりではありません
指標40と70で分かれる加算の区分は(Ⅰ)と(Ⅱ)の分かれ目の図解で詳しく扱っています。
おわりに
老健が「帰るための施設」だというのは、標語ではありませんでした。 帰した実績が、土台の点数から加算まで通して効いています。
自分の仕事が算式のどこに入っているかを知ると、見え方が少し変わります。 訪問も、記録も、施設の区分につながっているからです。
実際の請求では、原本と保険者への確認を優先してください。 個別のケースで算定できるかどうかは、この記事では判断できません。
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この記事は、厚生労働省の告示・通知・疑義解釈をもとに、リハビリ専門職の自己点検用に整理したものです。個別ケースの算定可否を判断するものではありません。実際の請求にあたっては原本を確認し、判断に迷う場合は保険者・地方厚生局への確認を優先してください。また、掲載内容は医療行為の代替となるものではありません。