未実施減算は委員会・指針・研修・担当者の4点セットで見ます
公開 2026-08-16|作業療法士・トロル
この記事でわかること
- 未実施減算は、委員会・指針・研修・担当者の4点セットで見ます
- ひとつでも欠ければ減算対象です。通所リハの虐待防止減算にはそう明記されています
- 引かれる大きさは違います。虐待防止は100分の1、BCPは老健だけ100分の3、身体拘束は100分の10です
高齢者虐待防止措置未実施減算、業務継続計画未策定減算、身体拘束廃止未実施減算。 名前が長いうえに数もあるので、それぞれ別の話に見えます。
ところが要件を並べてみると、求められているものはほとんど同じでした。 違うのは、引かれる大きさのほうです。
そろえるのは、委員会・指針・研修・担当者
高齢者虐待防止措置なら、委員会を定期的に開いて結果を従業者へ周知し、指針を整備し、 研修を定期的に実施し、担当者を置く。この4つが要件です。
安全管理体制も同じ形をしています。事故発生の防止のための指針を整備し、委員会と研修を定期的に行い、 担当者を置く。そこに、事故やその危険性がある事態を報告・分析して改善策を周知する体制が加わります。
身体拘束の委員会だけ、回数が書かれています
いっぽう業務継続計画(BCP:感染症や災害のときにサービスを続けるための計画)は形が違います。 計画を策定し、従業者へ周知し、研修と訓練を定期的に行い、定期的に見直す。委員会や担当者ではなく、 計画そのものを回すという書き方です。BCP未策定減算だけを扱った記事もあります。
ひとつでも欠けていれば減算です
ここが「未実施減算」という名前のいちばん怖いところだと思っています。 4つそろえてはじめて要件を満たすので、3つできていても評価は同じです。
通所リハビリテーションの高齢者虐待防止措置未実施減算には、そのことがはっきり書かれています。 虐待の発生または再発を防止するためのすべての措置のうち、一つでも講じられていなければ減算対象、という書き方です。
- 委員会は開いたが、指針をまだ整備していない → 減算対象
- 指針も研修もあるが、担当者を決めていない → 減算対象
- BCPは作ったが、研修と訓練をしていない → 減算対象
書類を1枚作れば終わる話ではありません。 委員会は開き続け、研修は定期的に回し続けることになります。
引かれる大きさは、そろっていません
同じ「未実施減算」でも、身体拘束廃止は所定単位数の100分の10です。 高齢者虐待防止措置は100分の1なので、10倍の開きがあります。
そして見落としやすいのが業務継続計画です。訪問リハビリテーション・通所介護・通所リハビリテーションでは100分の1ですが、老健だけ100分の3になっています。虐待防止と並べて「どちらも1パーセント」と覚えていると、老健で外します。
安全管理体制未実施減算と栄養管理減算は、率ではなく単位で引く形です。 それぞれ5単位/日と14単位/日です。率のものは基本報酬が大きいほど金額も大きくなるので、 同じ「1パーセント」でも施設によって重さが変わります。
施行時期に経過措置があるものもあります
各減算の単位数と要件の原文、根拠になる告示へのリンクは報酬チェックにあります。身体拘束廃止未実施減算、業務継続計画未策定減算(老健)のページです。
おわりに
未実施減算を1本ずつ覚えようとすると、名前が似ていて混ざります。 でも「委員会・指針・研修・担当者の4点セット」と握ってしまえば、あとは分野ごとの差分だけです。
そして差分の中身は、率と、BCPの形と、身体拘束の3月に1回。 この3つだけ手元に控えておけば、要件を毎回はじめから読まずに済むはずです。
関連する報酬チェック
単位数・算定要件・根拠資料はこちらで確認できます
この記事は、厚生労働省の告示・通知・疑義解釈をもとに、リハビリ専門職の自己点検用に整理したものです。個別ケースの算定可否を判断するものではありません。実際の請求にあたっては原本を確認し、判断に迷う場合は保険者・地方厚生局への確認を優先してください。また、掲載内容は医療行為の代替となるものではありません。