感染症と災害の加算4つ、備える側に手厚く付いています
公開 2026-08-18|作業療法士・トロル
この記事でわかること
- 備える・つながる・起きる・減った分を埋める、の順に4つ並びます
- 協力医療機関連携加算は50単位と5単位で10倍差。分かれ目は連携先の3つの体制です
- 新興感染症等施設療養費は、対象の感染症が指定されておらず現在は算定できません
- 通所介護の3%加算は、利用者が減った月の翌々月から3月以内が対象です
感染症や災害が起きたとき、報酬の側にも仕組みが用意されています。 ただ、備えるための加算と、起きた後の加算が混ざっていて分かりにくいところです。
4つ並べてみたら、時間の順に整理できました。 備える、つながる、起きる、減った分を埋める、という順です。
時間の順に4つ並びます
いちばん手前が高齢者施設等感染対策向上加算です。 加算(Ⅰ)が月10単位、加算(Ⅱ)が月5単位。備えているかどうかを評価します。
(Ⅰ)は、第二種協定指定医療機関との間で新興感染症の発生時の体制を確保していること。 そして医療機関が行う院内感染対策の研修や訓練に、1年に1回以上参加していることが要件です。
(Ⅱ)は少しだけ軽くなります。 感染対策向上加算を届け出た医療機関から、3年に1回以上、実地指導を受けていることが条件です。
研修は「1年に1回」、実地指導は「3年に1回」
協力医療機関連携加算は、10倍の差があります
協力医療機関連携加算は、連携先の体制によって単位数が10倍変わります。 月50単位か、月5単位かです。
共通の要件は、入所者の同意を得て病歴等の情報を共有する会議を定期的に開くこと。 ここまでは同じで、差がつくのは相手の体制のほうでした。
- 相談対応:病状が急変したとき、医師または看護職員が相談に応じる体制を常時確保していること
- 診療:施設から求めがあったとき、診療を行う体制を常時確保していること
- 入院受入:入院が必要と認められた入所者を、原則として受け入れる体制があること
★この3つをすべて満たす協力医療機関なら50単位、そうでなければ5単位になります。 なお入院受入の体制を満たせるのは病院に限られます。
そして年に1回以上、協力医療機関との間で急変時の対応を確認し、 医療機関の名称等を都道府県知事へ届け出ることになっています。
「起きたとき」の療養費は、いま算定できません
新興感染症等施設療養費は、1日240単位。 1月に1回、連続する5日を限度として算定する仕組みです。
ところがこの療養費、いまは算定できません。 対象となる「別に厚生労働大臣が定める感染症」が、指定されていないためです。
令和6年4月以降いまに至るまで指定がなく、新たに指定されない限り算定できない。 これは令和6年度の改定Q&Aで、厚生労働省がはっきり答えています。
器だけ先に作ってある加算です
減った分を埋める加算は、通所側にあります
通所介護には、利用者が減ったときの加算があります。 感染症や災害で利用者数が減った場合、1回につき所定単位数の100分の3です。
条件は、当該月の利用者数が前年度の月平均より5%以上減っていること。 そして届出を行うことです。
算定できるのは、利用者数が減った月の翌々月から3月以内。 減った月からすぐではなく、2か月あとから始まる点に注意します。
- 減った月の翌々月から3月以内が原則の期間です
- 経営改善に時間を要する等の特別の事情があれば、さらに3月以内まで延ばせます
- 厚生労働大臣が認める感染症・災害であることが前提です
それぞれの要件は協力医療機関連携加算のページで確認できます。
おわりに
感染症の加算は、備えの部分に手厚く付いています。 起きてからの療養費は、いまのところ動いていません。
そう考えると、日ごろ確かめておくのは2つです。 協力医療機関が3つの体制を持っているか。そして今年の研修に参加したか。
実際の請求では、原本と保険者への確認を優先してください。 個別のケースで算定できるかどうかは、この記事では判断できません。
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単位数・算定要件・根拠資料はこちらで確認できます
この記事は、厚生労働省の告示・通知・疑義解釈をもとに、リハビリ専門職の自己点検用に整理したものです。個別ケースの算定可否を判断するものではありません。実際の請求にあたっては原本を確認し、判断に迷う場合は保険者・地方厚生局への確認を優先してください。また、掲載内容は医療行為の代替となるものではありません。