訪問リハは医療保険か介護保険か、分かれ目は14日です
公開 2026-08-17|作業療法士・トロル
この記事でわかること
- 急性増悪等の特別の指示が出ると、その日から14日間を限度に医療保険へ入れ替わります
- 医療保険の「1単位」は20分以上の実施のこと。介護保険の308単位とは指すものが違います
- 週6単位が上限で、退院の日から3月以内は週12単位。末期の悪性腫瘍は限度の対象外です
- サービス同士の重なりは日数ではなく、そのサービスを受けている間ずっと算定しません
訪問リハで最初につまずくのが、医療保険か介護保険かという話です。 原則は介護保険が優先。ここまでは、たいてい教わります。
問題は例外のほうでした。 途中で医療保険に切り替わる場面があり、その期間がきっちり決まっています。
特別の指示が出ると、14日間だけ入れ替わります
保険医療機関の医師が、診療にもとづいて急性増悪等を認めた場合です。 一時的に頻回の訪問リハが必要と判断し、計画的な医学的管理のもとで特別の指示を行う。
すると、その指示の日から14日間を限度として医療保険の給付対象になります。 そしてこの14日間は、介護保険の訪問リハビリテーション費を算定しません。
重ねて取れるわけではなく、入れ替わるということです。 期間が終われば、また介護保険に戻ります。
医療保険の側にも「14日」があります
同じ「単位」でも、指しているものが違います
医療保険の留意事項通知には、はっきり定義が書いてあります。 「1単位」とは、医師の診療に基づき理学療法士等を訪問させ、 療養上必要な指導を20分以上行った場合をいう、と。
いっぽう介護保険の訪問リハビリテーション費は1回につき308単位。 こちらの単位は報酬の数字として並んでいるもので、実施時間の定義ではありません。
だから医療保険の「週6単位」は、週に6回の訪問という意味ではなく、 20分以上の実施を6つ分という意味になります。
- 週の上限:同一建物居住者以外と同一建物居住者を合わせて週6単位です
- 退院直後は倍:退院の日から起算して3月以内の患者は週12単位まで算定できます
- 対象外:末期の悪性腫瘍の患者は、週6単位の限度の対象外とされています
点数も同一建物かどうかで分かれていて、300点と255点。 なお、訪問に要した交通費は患家の負担と定められています。
保険ではなく、サービスが重なる場面もあります
重ならないようにするルールは、保険の切り替えだけではありません。 サービス同士でも、同じことが起きました。
通所介護費には、短期入所生活介護や短期入所療養介護、 特定施設入居者生活介護などを受けている間は算定しない、という規定が置かれています。
期間の決まり方が違います
医療保険側の点数と要件は在宅患者訪問リハビリテーション指導管理料のページで確認してください。
おわりに
医療保険と介護保険の使い分けは、覚える量が多そうに見えます。 でも訪問リハに限れば、押さえるところは少ないと思っています。
原則は介護保険。特別の指示が出たら14日だけ医療保険。 そして「単位」という言葉が、両者で別のものを指している。この3つです。
実際の請求では、原本と保険者・地方厚生局への確認を優先してください。 個別のケースで算定できるかどうかは、この記事では判断できません。
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単位数・算定要件・根拠資料はこちらで確認できます
この記事は、厚生労働省の告示・通知・疑義解釈をもとに、リハビリ専門職の自己点検用に整理したものです。個別ケースの算定可否を判断するものではありません。実際の請求にあたっては原本を確認し、判断に迷う場合は保険者・地方厚生局への確認を優先してください。また、掲載内容は医療行為の代替となるものではありません。