同一建物減算、訪問と通所で「同一建物」の範囲が違います
公開 2026-08-15|作業療法士・トロル
この記事でわかること
- 訪問系は率で引き、通所系は定額で引きます。まず仕組みが違います
- 「同一建物」の範囲が違います。通所系は同一敷地内の別棟や道路を挟んだ隣接を含みません
- 同一建物減算の対象になっている場合、送迎減算は重ねてかかりません
同一建物減算は、訪問系にも通所系にもあります。 名前が同じなので、ひとつ覚えれば済むように見えてしまう。
でも中身は二重に違っていました。引き方も違うし、「同一建物」が指す範囲も違います。 そこを取り違えると、金額ではなく対象そのものを間違えます。
訪問系は率、通所系は定額です
訪問リハビリテーションと訪問看護は、所定単位数の100分の90です。 対象は、事業所と同一敷地内建物等に居住する方か、同一建物に20人以上が居住している場合の利用者になります。
さらにその上があって、同一敷地内建物等に50人以上が居住する建物なら100分の85です。 住んでいる人数で減算率が段になっている、という作りですね。
通所介護と通所リハビリテーションは94単位/日を引きます。率ではなく定額なので、 要介護度が重い方でも軽い方でも引かれる単位は同じです。
通所系には、送迎が必要と認められる方の例外があります
「同一建物」の範囲が、訪問と通所で違います
訪問系の「同一敷地内建物等」は、事業所と構造上・外形上一体的な建物に加えて、 同一敷地内や隣接する敷地の建物も含みます。効率的なサービス提供が可能なもの、という条件つきです。
いっぽう通所系の「同一建物」は、事業所と構造上または外形上、一体的な建築物だけを指します。同一敷地内にある別棟や、道路を挟んで隣接する建物は該当しません。
- 事業所の一階部分が事業所で、上の階が住居 → どちらも対象
- 渡り廊下でつながっている → 一体的な建築物なので通所系でも対象
- 同じ敷地の中の別の棟 → 訪問系は対象になりうる。通所系は該当しない
訪問系は位置関係だけで機械的に当てません
なお通所系では、建物の管理・運営法人が事業者と違っていても、 構造上または外形上の要件に当てはまれば同一建物として扱うことになります。 法人が別だから対象外、とはなりません。
送迎減算とは重なりません
通所系にはもうひとつ、送迎を行わない場合の減算があります。片道につき47単位です。 利用者が自分で通う場合や、家族等が送迎する場合が対象になります。
この2つは重ならないことになっています。同一建物減算の対象になっている場合は、 送迎減算のほうは適用しません。どちらも「移動していない分」を見ているので、二重には引かないという整理です。
送迎減算には、適用しない扱いがいくつかあります
各減算の単位数と要件の原文、根拠になる告示へのリンクは報酬チェックにあります。訪問リハビリテーションの同一建物減算、通所介護の同一建物減算のページです。
おわりに
同一建物減算でつまずくのは、たいてい単位数のほうではありません。 「うちのこの建物は対象なのか」という、範囲の判断のほうです。
訪問なら敷地や隣接まで見る。通所なら一体的な建築物かどうかだけ見る。 この一行を握っておけば、少なくとも対象を取り違えることはなくなります。
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単位数・算定要件・根拠資料はこちらで確認できます
この記事は、厚生労働省の告示・通知・疑義解釈をもとに、リハビリ専門職の自己点検用に整理したものです。個別ケースの算定可否を判断するものではありません。実際の請求にあたっては原本を確認し、判断に迷う場合は保険者・地方厚生局への確認を優先してください。また、掲載内容は医療行為の代替となるものではありません。