老健の療養体制維持特別加算、27単位は来歴・57単位は状態
公開 2026-09-01|作業療法士・トロル
この記事でわかること
- (Ⅰ)は27単位、(Ⅱ)は57単位で、どちらも1日につきの単位数です
- (Ⅰ)は施設の来歴を見ます。転換前が介護療養型医療施設か療養病床を有する病院であること
- (Ⅰ)にはもう1つ、介護職員を常勤換算で4又はその端数を増すごとに1以上という配置があります
- (Ⅱ)は前三月間で2つの割合を見ます。喀痰吸引又は経管栄養が20%以上。認知症高齢者は50%以上です
老健の加算は、たいてい「これをやれば取れる」という形で書かれています。 評価する、計画を作る、職種をそろえる。どれも施設の努力で近づける条件です。
療養体制維持特別加算だけ、そこが違いました。 ★(Ⅰ)が見ているのは、施設がどこから来たかだったのです。
(Ⅰ)が見ているのは、施設の来歴です
加算(Ⅰ)の施設基準は、転換を行う直前がどうだったかを聞いています。 介護療養型医療施設を有する病院だったか、療養病床を有する病院だったか。
そして条文には「次のいずれかに該当すること」と書かれています。 ★どちらか一方に当てはまればよい、という形でした。
ただ、どちらも過去のことです。 ★いまから満たしにいける要件ではありません。
もう1つ、職員の数の条件があります
(Ⅱ)が見ているのは、入所者の状態です
加算(Ⅱ)は57単位です。(Ⅰ)の27単位と比べると倍以上あります。 こちらの基準に書かれているのは、施設のことではなく入所者のことでした。
- 算定日が属する月の前三月間の入所者等のうち、喀痰吸引又は経管栄養が実施された者の割合が20%以上
- 同じく前三月間の入所者等のうち、著しい精神症状、周辺症状又は重篤な身体疾患が見られ専門医療を必要とする認知症高齢者の割合が50%以上
★ここで一度、条文の形に目を戻したいところです。 加算(Ⅰ)のほうには「次のいずれかに該当すること」という一言がありました。
加算(Ⅱ)の2つには、その一言がありません。 ★ただ並んでいるだけです。
「いずれか」が無いことを、勝手に読み替えないこと
そもそも、全部の区分に付く加算ではありません
もう1つ見落としやすいところがあります。この加算が付く基本報酬の区分は限られていました。
告示の注には「イ(2)及び(3)並びにロ(2)及び(3)について」と書かれています。 老健の基本報酬は17区分あるので、★全部に付くわけではないという意味です。
この枝番の読み方そのものは「イ(1)及びロ(1)」が読めれば、の記事に書きました。自分の施設がどの区分かは基本報酬のページで確かめられます。
おわりに
27単位と57単位。どちらも1日につきなので、月にすると小さくない数字です。 それでもこれは「取りにいく」加算ではありませんでした。
★施設の来歴に付いている加算だからです。 同じ老健という看板でも、どこから転換してきたかで報酬の形が違っていました。
現場にいると、自分の施設が元は何だったのかを聞く機会はあまりないでしょう。 ★でも報酬表を読むときには、意外とそこが効いてくるのでした。
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この記事は、厚生労働省の告示・通知・疑義解釈をもとに、リハビリ専門職の自己点検用に整理したものです。個別ケースの算定可否を判断するものではありません。実際の請求にあたっては原本を確認し、判断に迷う場合は保険者・地方厚生局への確認を優先してください。また、掲載内容は医療行為の代替となるものではありません。