告示・通知・疑義解釈は何が違うのか
公開 2026-08-12|作業療法士・トロル
この記事でわかること
- 省令はサービスのルール、告示は単位数と要件、通知は読み方、疑義解釈は個別の回答です
- 告示は2種類あります。金額を決める告示と、要件を決める告示は別の資料です
- 疑義解釈はあとの回で修正されることがあります。番号の新しいものから確認します
加算のことを調べていると、告示、通知、疑義解釈という言葉が並んで出てきます。 どれも厚生労働省が出しているのに、名前が違う。
この違いは、いまさら人に聞きにくいところだと思います。 僕も最初は全部まとめて「お達し」くらいに思っていました。実際には役割がはっきり分かれています。
決めていることが、それぞれ違います
- 省令:サービスそのもののルールです。人員、設備、運営の基準を決めています
- 告示:単位数・点数と、算定の要件を決めています
- 通知:告示をどう読むか。解釈と運用が書かれています
- 疑義解釈:個別の「これはどうなるのか」への回答です。事務連絡として出ます
いちばん誤解されているのは、告示が2種類あることです
「単位数は告示に書いてある」というのは、半分だけ合っています。 実際には、金額を決める告示と、要件を決める告示が別々にあります。
介護保険だと、こういう分かれ方です。
| 決めていること | 資料の名前 |
|---|---|
| 居宅サービスの単位数 | 指定居宅サービスに要する費用の額の算定に関する基準(平成12年厚生省告示第19号) |
| 施設サービスの単位数 | 指定施設サービス等に要する費用の額の算定に関する基準(平成12年厚生省告示第21号) |
| 加算などの算定基準 | 厚生労働大臣が定める基準(平成27年厚生労働省告示第95号) |
| 施設基準 | 厚生労働大臣が定める施設基準(平成27年厚生労働省告示第96号) |
| 対象になる利用者の条件 | 厚生労働大臣が定める基準に適合する利用者等(平成27年厚生労働省告示第94号) |
単位数だけ見て「この加算は取れそうだ」と判断すると、要件の告示を見落とします。 逆に、要件だけ調べて単位数の告示にたどり着けない、ということも起こります。
医療保険も同じ作りです
通知がないと、告示だけでは実務が決まりません
告示は条文なので、そっけない書き方をしています。 「〜を行った場合に算定する」とだけ書いてあって、では何をどこまでやれば「行った」ことになるのかが分かりません。
そこを埋めるのが通知です。介護保険では、実施上の留意事項についてという名前の通知が中心になります。 告示を読んで意味が取れなかったら、まず通知を探すのが早道です。
疑義解釈は便利ですが、それだけで判断しない
疑義解釈は、現場から出た具体的な質問への回答です。 自分のケースにそっくりな問いが載っていると、いちばん役に立ちます。
ただ、注意したいことが2つあります。 ひとつは、疑義解釈は個別の問いへの答えなので、条件が少しずれると当てはまらないこと。 もうひとつは、あとから出た回で前の回答が修正されることがあることです。
実際に修正された例があります
このサイトが実際に使っている割合
参考までに、報酬チェックに載せている148項目の出典を数えてみました。 告示が241回、通知が54回、疑義解釈が15回、省令が11回です。
土台になるのは圧倒的に告示で、通知がその読み方を補い、疑義解釈が細かい隙間を埋める。 この比率が、そのまま4つの役割分担を表していると思います。
各項目でどの資料を根拠にしているかは、報酬チェックのページごとにリンクつきで載せています。実物を開いて確かめられる形にしてあります。
おわりに
4種類の役割が分かると、調べる順番が決まります。 単位数と要件は告示、意味が取れなかったら通知、それでも判断がつかなければ疑義解釈です。
そして、どれを見ても答えが出ないときがあります。 そのときは保険者や地方厚生局に聞く場面で、これは調べ方が悪いのではなく、そういう性質の問いだったということです。
この記事は、報酬に関する資料の種類や探し方を、実際に毎月点検している立場から整理したものです。制度の解釈を示すものではなく、個別ケースの算定可否を判断するものでもありません。資料の構成や公開場所は変更されることがあります。実際の請求にあたっては原本を確認し、判断に迷う場合は保険者・地方厚生局への確認を優先してください。