膝が痛い方の自主トレ、力を入れる運動から始めます
公開 2026-08-18|作業療法士・トロル
この記事でわかること
- 「力を入れる運動」と「動かす運動」は別もの。痛みが強い時期は前者から始めます
- 力を入れる系の保持時間は5秒前後でそろっています。回数より秒数を伝えます
- 立位の運動には「膝がつま先より前に出ない」という共通の注意があります
- 正座・深いしゃがみ込み・1段ずつの階段降りは、代わりの方法とセットで伝えます
膝が痛い方に自主トレを渡すとき、いつも同じところで迷います。 動かしていいのか、力を入れるだけにしておくのか。
素材を並べ直したら、この2つがきれいに分かれていました。 性格が違うので、渡す順番も違ってきます。
「力を入れる」と「動かす」は別ものです
左の列は、膝をほとんど動かさない運動です。 クアドセットは、膝のお皿が上に動くのを意識して5秒キープします。
自動SLRも同じ仲間になります。膝を伸ばしたまま脚を30〜45度まで上げて5秒。 座って行う四頭筋トレーニングは、膝を伸ばした位置で3〜5秒保持します。
膝の合言葉は「5秒」です
右の列がヒールスライドです。踵を床の上で滑らせながら膝を曲げ伸ばしします。 こちらは曲がる角度を少しずつ広げていく運動になります。
痛みや腫れが強い時期は、まず左の列から。 これは素材の説明にある「術後は可動域の制限に注意」という一文とも合う考え方です。
座って・立ってへ、姿勢を上げていきます
座位でできるものは、椅子さえあれば自宅でも続きます。 四頭筋トレーニングには斜めと側方の2枚があり、指導の角度を選べます。
ストレッチも座ってできる形があります。 立位のストレッチが不安定な方には、こちらのほうが安全です。保持は15〜30秒。
立位まで進むと、壁を用いた空気イスが使えます。 膝を60〜90度曲げて10〜30秒。保持時間と角度で、負荷を細かく調整できるのが利点です。
立位の2つには、同じ注意が書いてあります
渡さない動きも、一緒に決めます
膝の指導で大事なのは、やることを増やすだけではありません。 やらないほうがいい動きを、同時に伝えることです。
- 正座:膝を最大屈曲位に保つため、術後の痛みや腫れ、可動域制限を招きやすくなります
- 深いしゃがみ込み:低いものを拾うときは、リーチャーを使う・椅子に座って取るなどの代替を提案します
- 1段ずつの階段降り:手すりを使い、術側から先に下ろして2足1段で降りる方法へ切り替えます
素材庫には、この3つを「NG例」として描いたイラストがあります。 言葉で説明するより、絵を見せたほうが伝わる場面です。
★ただし、絵だけ渡すと「ダメ出しの紙」になってしまいます。 代わりの方法まで一緒に伝える。ここまでがワンセットだと思っています。
運動していい状態かは、先に確認してください
膝まわりのイラストは下肢の自主トレのカテゴリにまとめてあります。この記事で出てきたものは下に並べました。
おわりに
膝の自主トレは、種目より順番だと感じています。 力を入れるものから始めて、動かすものを足して、姿勢を上げていく。
そして最後に、やらない動きを決める。 この4つがそろうと、渡した紙が家でも生きるようになりました。
この記事に出てくるイラスト
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この記事は、施設内の勉強会・研修づくりの進め方について、作業療法士としての経験をもとに整理したものです。法定研修の要件を満たすことを保証するものではありません。実施が必要な研修の種類・回数・内容は、指定基準や自治体の通知を確認してください。また、掲載内容は医療行為の代替となるものではありません。









